はじめに
クラミジア感染症は10~20代前半の女性を中心に増えてきている性感染症です。女性の性感染症の中では、HPV(ヒトパピローマ)感染を除くと最も多く、20代前半の感染者数は性交経験のある人の5~10人に1人と予測されています。
自覚症状がほとんどないために、妊婦健診で検査をしてみて初めて感染に気づくというケースも少なくありません。クラミジアによる卵管炎は不妊症の原因となるため、若い頃の感染が将来弊害をもたらすこともあります。
クラミジア感染症とは?
クラミジア感染症の原因は、クラミジアトラコマティスという細菌です。性交渉によって尿道や子宮頚管、喉の奥にクラミジアが感染します。成人では性行為により感染しますが、新生児は母親からの産道感染により感染します 。クラミジア感染は男女とも性的活動の活発な若年層に多いですが、特に女性でその傾向が 目立っており、29歳以下では男性患者数を上回っています。 最近では初交年齢の低下に伴って、10代の女性の感染率の高さが将来の不妊につながるとされています。女性では 感染を受けても自覚症状に乏しいため、診断治療に至らないことが多く、無自覚のうちに男性 パートナーや出産児へ感染させることもあるので、注意が必要です。また、口腔性交による咽頭への感染も少なくないことが報告されています。
症状
男性のクラミジア感染症の症状
排尿痛や尿道から膿が出るといった症状が出ます。
尿道炎を起こすため、排尿時の痛みや尿道の違和感、尿道から膿が出るといった自覚症状が見られることがあります。女性に比べて、男性は症状が現れやすい傾向にあります。
女性のクラミジア感染症の症状
女性は感染してもほとんど自覚症状がないのが特徴です。子宮頚管炎(子宮の出口の炎症)が起きると水っぽいおりものが増えたりおりものに少量の出血が混ざったりすることがあります。また尿道や膀胱に菌が入ると、頻尿や排尿痛などの膀胱炎症状を引き起こすことがあります。
| 性別 | 女性 | 男性 |
|---|---|---|
| 無症状の割合 | 約80% | 50~60% |
| 潜伏期間 | 1~3週間 | 1~3週間 |
| 症状 | ・普通は無症状・症状があっても、おりものが少し増えたり、軽い生理痛のような痛み、不性器出血など。 ・黄色い濃いおりものがでることもある。 | ・症状は軽く、尿道がむずがゆくなったり、排尿時に軽い痛みがある程度。(尿道炎症状)・副睾丸(精巣上体)の圧痛や痛みなど。 |
| 感染したまま知らずにいると? | ・子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などに進行。・不妊、流産、早産などの原因となる。 | ・尿道炎から精巣上体炎、陰嚢の腫れなど、男性不妊の原因になる。 |
感染経路
性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)により感染します。1回の性行為における感染率は、30〜50%とも言われています。最近ではオーラルセックスが一般的になっているので、性器だけでなく咽頭(のど)への感染も広がっています。
お風呂や温泉での感染については報告されていません。
検査・治療
男性は尿を使うか尿道の細胞を擦り取って検査します。女性は子宮頚管の分泌物を拭い取って検査します。
男女ともに、咽頭感染が疑わしい時は、喉の奥を直接こすって検査をするか、うがい液を検査に出します。
男女ともにクラミジアに有効な抗生物質を1~7日間飲みます。炎症がひどくて腹痛や発熱がある場合は、点滴による治療が必要になることもあります。治療後に再度検査を行い、結果が「陰性」になっていることを確認できれば「完治した」といえます。
まとめ
クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症の一つです。自覚症状がない場合が多く、感染に気付かないことがありますが、進行すると、不妊症や母子感染など様々な病気の原因になるので、きちんと治療する必要があります。
予防するためには、セックス時にコンドームの使用ですることです。
オーラルセックスやアナルセックスのときにも感染するため、コンドームを適切に使う必要があります。
