ロタウイルス感染症とは?
ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合、症状が出ません。しかし、乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。
症状
主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。
脱水症状がひどくなると点滴が必要となったり、入院が必要になることがあります。
5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。
感染から発病までの潜伏期間は1~3日といわれています。
ロタウイルスとノロウイルスの違い
ロタウイルスは感染力が強く乳幼児にかかりやすい。激しい下痢が特徴。
ノロウイルスは感染力が非常に強く、激しい嘔吐が特徴。
世界の流行状況
急性感染性胃腸炎は、世界における小児の死亡者、罹患者の最も多い原因の一つであり、5歳未満の小児の死亡者は年間180万人に上るという報告があります。その中で、ロタウイルスは特に重症急性胃腸炎の主要な病原体で、ロタウイルス感染症により世界では5歳未満の小児が約50万人の死亡があるとされ、その80%以上が発展途上国で起こっています。
ロタウイルスは感染力が非常に強いため、たとえ衛生状態が改善されている先進国でも感染予防は難しく、5歳までに世界中のほぼすべての児がロタウイルスに感染し、胃腸炎を発症するとされています。
わが国におけるロタウイルス感染症による死亡者は稀ですが、それでも感染者数は非常に多いため、子供のうちにワクチンを打つことが重要となります。
どのように感染するの?
〈接触感染〉
ロタウイルスは感染者の便に大量に含まれており、その便に触れた手指を介して、口から入ってしまうことで感染します。便との接触だけではなく、感染者が触れたものに間接的に触れることでも感染する可能性があります。
〈経口感染〉
汚染された水や食品を介して、ロタウイルスが口に入って感染することがあります。
感染予防について
嘔吐物や便の処理
嘔吐物や便を掃除するときは、マスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、静かに拭き取ります。床に付着した便や吐物は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取りましょう。
ワクチンの接種
ワクチンを接種することで、ロタウイルス感染症の発症を予防することができます。
また、個人が接種することで集団に対する免疫効果も期待できます。
2020年10月1日より、ロタウイルス予防接種が定期接種(公費負担)になります。
対象となる児は、2020年8月1日以降に生まれた子どもです。
8月以前に生まれた児に対しては、各市町村で助成制度を設けている場合があるため、
確認が必要です。
感染した場合、保育園や幼稚園の登園は?
厚生労働省が定める「保育所における感染症対策ガイドライン」では、ロタウイルスに感染した場合の保育園や幼稚園への登園について、明確な日数が指定されていません。
登園の目安としては「嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること」と記載されており、登園日については医師と相談したうえで決めましょう。
ただし、保育園や幼稚園のなかには、独自の規定を設けているところがあります。園によっては、医師の診断に従い保護者が登園届に記入して、提出しなければならないことがあるので、事前に園の方針を確認しておきましょう。
※症状が落ち着いた後も、便からの排菌がみられているため、特に注意が必要です。
