日本脳炎ウイルスとは?
主にコガタアカイエカ(蚊)によって媒介され、日本脳炎ウイルスによっておこるウイルス感染症です。ウイルスに感染した動物を刺した蚊に刺されることで、ヒトに感染するケースが多くみられています。症状としては、日本脳炎に特徴的な症状はありませんが、急性脳炎としての症状、突然の高熱、頭痛、嘔吐などがみられます。
急性脳炎・・身体がウイルスに反応を起こすことで、脳に急激なむくみが生じること
一般に、日本脳炎ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、
発症した方の20~40%が亡くなってしまうといわれています。また、生存者の45~70%に精神・神経障害などの後遺症がみられています。
日本脳炎の感染者数

日本脳炎患者数は1960年代には小児を中心に年間数百人程の感染がみられていましたが、その後急激に減少し、2000年代に入り年間十人程の感染に留まっています。
感染源
日本脳炎ウイルスは、豚や、サギなどの野鳥の体内で、無症状のまま増えていきます。ウイルス感染した動物(ブタやイノシシ等)を刺した蚊(特に水田で発生するコガタアカイエカ)に刺されることで、ヒトに感染することが多いです。ヒトからヒトへの感染はありません。

コガタアカイエカ(蚊)が活発に活動する時期は、6~9月です。
このため、日本脳炎ウイルスの流行は、毎年夏頃に多くみられています。
世界における日本脳炎の発生状況
日本脳炎はアジア諸国とオーストラリアでの発生が報告されています。
世界的には年間3~4万人の日本脳炎患者の報告がみられており、患者数の多い国としては、中国年2~3万人、インド年3,000人、ネパール年2,000~3,000人、ベトナム年2,000~3,000人、タイ年1,000~2,000人等があります。
治療・予防
特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。日本脳炎は症状が現れた時点で、すでにウイルスが脳内に達し脳細胞を破壊しているため、一度破壊された脳細胞の修復は困難となります。したがって、日本脳炎は予防が 最も大切な疾患となります。
予防の中心は蚊の対策と予防接種になります。予防接種を受けることで、日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されており、予防接種を適切に受けることが重要になります。
抗体保有率

予防接種
日本脳炎ワクチンは完了するまでに4回接種します。
第1期:生後6ヵ月から接種できますが、標準的には3歳からの接種となっています。
1~4週間隔で2回、2回目の約1年後に3回目を接種します。
第2期:9~12歳に1回接種します。
| 1期初回(計2回) | 3歳のときに2回(6~28日の間隔を空ける) |
| 1期追加(1回) | 4歳のときに1回(初回接種から約1年の間隔を空ける) |
| 2期(1回) | 9歳のときに1回 |
まとめ
日本脳炎は感染しても大半が発病せずに済むと考えられているものの、発病すると深刻な症状、後遺症を招く恐れがあります。
予防接種によって、リスクを大幅に減らすことができるため、私たちの健康を守るためにも、適切に予防接種を受けましょう。
